山本文緒の「ファースト・プライオリティー」を10年ぶりに再読してみた
私が10代の時から好きだった作家、山本文緒さん。
「ファースト・プライオリティー」を約10年ぶりに読み返してみました。
ファースト・プライオリティー 角川文庫 【文庫】
|
この小説は31歳の女性主人公の短編ストーリー31本で成り立っています。
本が発売された当初は私はまだ24歳。
当時は、面白いなぁ・・と思いつつ、それほど印象に残る本というわけでもなく、1度読んだきり家の押し入れにしまったままになってしまいました。
ところが、現在35歳の私が読み返したら・・・
ああーーーーー、分かる、分かる、分かる・・・!!の嵐です。
若年期更年期障害の話やら、プロレスラー系の容姿をした30代未婚姉妹が2人暮らしでぼちぼち過ごす話やら、母親が突然死してしまう話やら・・・リアリティがありまくりです
30代の女性が突き当たる壁を的確に表現していますよ(;^_^A。
山本文緒さんの描く登場人物は、「性格が悪い」という感想が多いですが、そこがツボなのです。
優等生のいい子ちゃんなんてつまらないし、人間誰でもブラックな面はあるのですから・・・その自分でさえも認めたくない心の闇の部分を重くならずにサラリと表現してしまうのが彼女の凄いところだと思いました。
「偏屈」の主人公なんて、まさに私そのものです(苦笑)
でも1番ホラーなのは「手紙」の主人公ですね。
ネタばれになるので詳細は控えますが、あんな31歳の女性がいたら怖いですねぇ・・・・(((( ;°Д°))))