2002年版の「鬼畜」を見てみた
前々回のブログでドラマ「鬼畜」について触れさせて頂きました。
(その記事はこちら↓ ↓ ↓
youtubuで検索したら2002年版のビートたけし&黒木瞳主演の「鬼畜」が出てきたので早速視聴することにしました。
以下ネタバレ含みます。
2017年版と2012年版の「鬼畜」の違いをまとめてみました。
1、2017年版は妻は自殺するが、2002年版では妻は死なない
2、2017年版は子供達が父親を慕って和解するシーンが最後に練りこまれているが、2002年版はそのようなシーンはない
3、2017年版は愛人は途中から全く登場しなくなるが、2002年版は最後「やっつ/ぱり子供と暮らしたい」と登場。妻と愛人が対峙するシーンがある
4、2002年版の妻は子供たちにほんの少し歩み寄ろうとする場面が垣間見られる
5、2017年版は長男と妹の再会シーンあるが、2002年版は「よしこを探してください!」とたけしが涙して妹は行方不明のまま
6、2002年版は時代背景が現代的
2002年版は工場がつぶれそうで生活が貧しいにも関わらず、妻役の黒木瞳の服装がなぜか上品で身綺麗なんですよね。
参考までに2002年版の「鬼畜」
2017年版の鬼畜
2017年の常盤貴子さん演じた妻役の恰好の方が昭和感出てますよね?
ただストーリーとしては2002年版の方が私好みでした。
2017年版の最後の5分は視聴者狙いのお涙頂戴シーンの盛り込みが蛇足だったような気がします。
・玉木宏が出所して子供たちがくれた手紙とイラストに涙するシーン
・亡き妻、梅子の墓参りのシーン・・・・etc
制作サイドも救いのある終わり方にしたかったのだろうけれど(Xmasイブに放送されたしねw)「鬼畜」の良さを損ねているような気がしてなりませんでした。
2002年は逮捕→長男「この人は知らない!」と最後泣きながら駆け出していく
エンディングで工場閉鎖するシーンありと、バッドエンドでありながら余韻もあり・・という演出が巧みでした。
中でも私が一番好きなのは、最後「やっぱり子供を返して欲しい」という愛人役室井滋と「あんたは母親の資格ない!」という妻役黒木瞳の対峙シーンです。
最初は室井滋が愛人!?えーーーーー!?と思いましたが、
女女した卑しさやなまめかしさ(決して上品でない類の)を上手く演じられていたと思います。
最後の対峙シーンの「乳房が張るのよ」のセリフもなんか良いです。
そして黒木瞳の妻役のセリフが泣かせます
「もう遅いのよ」
「あんたが、子供を置いていったせいで、あの人と私はもう・・・・泣」
人はちょっとしたすれ違いや間違いで歯車が狂って、人生が破壊されてしまうのですよね・・・そんな切ない心情が伝わってきて思わず感情移入しながら見てしまった場面です。
2017年版は服毒自殺、2002年版は一人残され工場倒産・・・。
どちらにしろ「鬼畜」の役なのに、なんだか妻が憐れに思えてきてしまいます。
愛人の方には全く共感しなかったけど。
旦那は気の弱いヘタレな男という感じですねぇ。。。
今度は映画版の緒形拳主演の「鬼畜」も見てみます。