「さよなら」吉元由実著
今日、ご紹介したい本はこちらです。
「さよなら」吉元由実著
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王道の「不倫小説」でしょうか。
ただ、この作家が書く文章が詩的なせいなのか(もともと作詞もやるみたいだし)、登場人物に悪人誰一人登場しないせいなのか、不倫特有のドロドロ感が一切感じない爽やかな読後です。
ドロドロが苦手で、THE恋愛小説という雰囲気が好きな方なら好評かもしれませんね。
私は、やるなら徹底的にやれ!ドロドロ小説大歓迎!派(笑)なので。。。ちょっと綺麗に描きすぎ?不倫を美化しすぎ?とも思ってしまいました。
それでも、主人公の最後の決断、最後に彼にとった行動と言葉はお見事です。
物凄く好きな人に対して、別れを自分の意思で決めて終わりにした、主人公は若いのにとても潔くてカッコ良くて素敵でした。
好き同士でも上手くいかないこともある、不倫が最も究極のそれではないでしょうか?
だからこそ切ないし純愛でもある・・・、この小説はそんな感じにまとめられていました。
不倫のいやらしさを出さずにここまで綺麗に描ける作家さんは、なかなかいないのでその辺は高評価です。